平成30年度 松本市立病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 334 44 109 161 141 156 293 532 672 354
松本市西部地域に唯一設置された総合病院である当院は、西部地域の基幹病院として、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供する役割を担っています。
 当院は松本市街地から少し離れた高齢者の多い地域に立地しているため、60歳以上の患者さんの占める割合が6割を超えており、年々増加しています。全国的には70歳代の患者さんが最も多くなる傾向にありますが、当院では症状が比較的重症になりやすい80歳代の患者さんが最も多くなる傾向にあります。
 また、救急医療や周産期・小児医療も充実しているため、10歳未満及び20~30歳代の患者さんが多いことも当院の特徴の一つであり、赤ちゃんから高齢者まで地域住民の生涯にわたって医療を提供しています。
 平成30年度のデータと比較して、年齢階級の分布に大きな変化はみられません。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 副傷病なし 91 28.52 20.92 3.30 87.47
050130xx99000x 心不全 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 86 23.43 17.66 3.49 83.86
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 69 3.43 2.67 0 67.62
100380xxxxxxxx 体液量減少症 48 12.33 9.12 6.25 84.35
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 43 26.88 12.58 4.65 83.65
内科の患者さんは加齢性変化による身体機能の低下等によって、「誤嚥性肺炎」や「心不全」を発症し、入院されるケースが多くなっています。70歳~80歳代を中心に、高齢の方の入院が次第に増加しており、肺炎の再発や脱水症(老衰)を契機に当院を受診される機会が増えてきています。また、消化器内科では内視鏡による治療を積極的に行っております。当院の外科部門との連携により、質の高い医療の提供を心掛け、「大腸ポリープ」や「早期大腸癌」、「早期胃癌」に対し、毎年多くの患者様の治療を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 15歳以上 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 36 6.19 4.96 0 66.78
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術等 処置2なし 26 12.46 10.59 0 60.65
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 処置1なし 処置2なし 副傷病なし 19 10.58 8.95 0 70.74
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 処置2:パージェタ(8) 17 7.35 5.34 0 76.35
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 16 6.13 7.75 0 52.63
 最も多い症例は、「鼠径ヘルニア」です。鼠径ヘルニアは一般的には「脱腸」とよばれ、本来お腹にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部などの筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。入院当日に手術を行い、入院6日前後で退院するといった症例が一番多くなっています。
 2番目に多い症例は、「乳がん」です。当院には乳がんを専門に治療する医師のほか、切除された乳房を再建する形成外科の医師もおり、様々なタイプの乳がんに連携して治療にあたることができます。
 3番目に多い症例は、「腸閉塞(イレウス)」です。腹部の手術を経験された方に多い疾患で、保存的に経過をみて改善が無ければ、手術を行う場合もあります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害 2500g以上 手術なし 60 8.63 6.17 1.67 0
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症 副傷病なし 43 4.81 6.19 16.28 1.35
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 処置2なし 28 3.71 5.42 0 5.25
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 27 3.04 10.03 3.70 6.70
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 処置2なし 26 3.54 3.83 23.08 2.15
 当院では年間300件以上の分娩を取り扱っています。そのため、小児科で最も多い症例は、新生児黄疸、母子感染、新生児一過性多呼吸、早産児などの「新生児疾患」となっています。小児科では、産 科とともに、安心・安全な周産期医療の提供に努めています。
 他に多い症例としては、急性気管支炎、感染性胃腸炎、ケトン血性嘔吐症(自家中毒、周期性嘔吐症)、熱性けいれんなどの「一般小児疾患」が挙げられます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 副傷病なし 39 27.23 19.61 0 78.85
070350xx01xxxx 椎間板変性、ヘルニア 内視鏡下椎間板摘出(切除)術等 18 14.50 10.47 0 53.94
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 16 46.50 26.30 0 80.19
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術 処置2なし 13 27.08 16.80 0 73.85
160800xx99xx0x 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 副傷病なし 11 41.00 14.45 18.18 84.36
整形外科で最も多い症例は脊椎の疾患で、「圧迫骨折」や「椎間板ヘルニア」、「脊柱管狭窄症」などです。神経が圧迫されることにより腰痛や脚のしびれ、感覚の障害が引き起こされます。重症の場合には手術が必要となることもありますが、当院には脊椎専門医がおり、内視鏡を使った患者さんに負担の少ない手術など、年齢や症状に適した治療を提供しています。
 次に多いのが「股関節大腿近位骨折」です。手術後リハビリテーション科へ転科するため、リハビリテーション科でも集計されています。
 全般的に在院日数が全国平均よりも長くなる傾向にありますが、当院は高齢者が多いこと、高齢者の回復はゆっくりなことが原因として考えられます。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 43 10.07 9.70 0 30.84
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 処置2なし 32 16.59 19.69 15.63 30.84
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 29 9.69 9.63 3.45 30.10
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 14 2.43 6.52 14.29 30.79
120140xxxxxxxx 流産 12 1.58 1.45 0 34.58
産科で最も多い症例は、骨盤位や前回の分娩が帝王切開だった方に対する「予定帝王切開」です。加えて3番目に多い症例が胎児機能不全などに対する「緊急帝王切開」であり、妊婦の約5人に1人が帝王切開による分娩となっています。
 2番目に多い症例は、「切迫早産」です。切迫早産とは、妊娠22週以降から37週未満の間に分娩が始まりかけている状態をいいます。入院期間は患者さんの状態によるため、個人差があります。
 当院では年間300件以上の分娩を取り扱っており、小児科とともに安心・安全な周産期医療の提供に努めています。必要に応じて高次医療機関に転院することもあります。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 3.08 5.10 0 73.00
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし - - 12.58 - -
161020xxxxx00x 体温異常 処置2なし 副傷病なし - - 5.73 - -
100391xxxxxxxx 低カリウム血症 - - 12.67 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 9.12 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 総合診療科で最も多い症例は、「めまい症」です。次いで多い症例は、尿路感染症、熱中症、低カリウム血症、脱水症などです。総合診療科では、救急車で搬送された患者さんや初診の患者さんを最初に診察し、各科専門医と連携して幅広い疾患の患者さんに対して診療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1:前立腺針生検法 副傷病なし 23 2.39 2.53 0 71.39
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 処置1なし 処置2なし 17 9.24 7.20 0 74.00
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 12 13.83 12.58 0 76.50
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 - - 8.65 - -
11013xxx02xxxx 下部尿路疾患 尿道狭窄内視鏡手術等 - - 7.05 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 膀胱癌や前立腺癌に係る診療が中心となっており、実績が多い治療では膀胱癌に対する経尿道的切除術が行われています。この手術は、腫瘍を切除する治療目的と同時に腫瘍の性質を調べる検査目的としても行われています。膀胱がんの好発年齢は50歳~60歳代とされていますが、当院はがん患者さんの年齢が比較的高くなっています。高齢期は若い世代に比べて、がんの発症リスクが高くなると言われています。今後、地域の高齢化に伴い、がん患者さんの増加が予想されることから、当科でも看取りを含む幅広い治療に対応できる体制を整えていきます。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 16 9.00 9.87 0 46.13
120100xx01xx0x 子宮内膜症 子宮全摘術等 副傷病なし 12 6.00 7.54 0 41.83
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 11 4.82 6.16 0 40.00
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む) 腹腔鏡によるもの等 11 5.27 6.28 0 34.73
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 処置2なし - - 3.20 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 婦人科では、8割以上が手術目的の入院です。
 子宮の良性腫瘍である「子宮筋腫」に対しては、症状や年齢、妊娠希望の有無などに応じて、開腹では主に子宮全摘術、腹腔鏡や子宮鏡では主に子宮筋腫摘出術が行われています。
 「卵巣子宮内膜症のう胞」や「卵巣良性腫瘍」に対しては、開腹手術の場合もありますが、腹腔鏡による子宮附属器腫瘍摘出術が最も多くなっています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 13 63.00 19.61 0 84.38
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 手術なし 副傷病なし 13 41.46 26.30 0 81.85
160820xx99xxxx 膝関節周辺の骨折・脱臼 手術なし - - 19.02 - -
160800xx99xx0x 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 副傷病なし - - 14.45 - -
160820xx01xxxx 膝関節周辺の骨折・脱臼 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指、その他等 - - 19.88 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 リハビリテーション科は、入院患者が社会復帰するに当たり、継続的なリハビリが必要と判断された際に、専門的な治療を行う診療科です。当院では、主に整形外科・脳神経外科の症例に対して治療を行っています。疾患や患者の状態によりますが、整形外科症例では最大90日、脳神経外科症例では最大180日に渡って継続的なリハビリ治療を提供しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 - 17 - - 1 8,7
大腸癌 - - 11 27 - 16 1 8,7
乳癌 21 20 18 11 - - 1 8,7
肺癌 - - 1 8,7
肝癌 - - - - 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 当院では「消化器病センター」を設置し、消化器がん(胃がん・大腸がん)については内科と外科が連携し、Ⅰ~Ⅳのそれぞれのステージに適した治療を行っています。Ⅱ期までの早期がんの患者さんについては、内視鏡による治療を中心に行っています。Ⅲ期以降の患者さんについては、外科的手術や抗がん剤の投与等、それぞれ症例に合わせた柔軟な医療を提供しています。
 乳がんについては、早期であるⅠ~Ⅱ期の患者さんが多い一方、Ⅲ期以降のがんが進行している患者さんも多くみられます。当院では、3D撮影が可能なデジタルマンモグラフィーを活用し、最新の設備のもと早期発見・早期治療に努めています。また、Ⅲ期以降であっても、手術やホルモン療法、化学療法など患者さんに最適な治療を行っています。
 平成26年度以降、当院では「大腸がん」や「乳がん」の患者さんが増加傾向にあります。がんの患者さんも60代後半~70代と高齢な方が多いです。高齢化が進む松本医療圏では、こうした高齢のがん患者さんが増えてきています。当院では今後、手術等を中心とした急性期のがん治療に限らず、お看取り等を含めた終末期のがんケアについても充実を図っていきたいと考えています。
 肺癌や肝癌についても治療を行っていますが、件数が10件に満たないため、掲載していません。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 44 13.86 78.27
重症 14 21.71 89.29
超重症 - - -
不明
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 肺炎の重症度については「中等」の患者さんが最も多く、次いで「重症」の方が多くなっています。免疫機能や身体機能の低下により、肺炎の発症機会が高まる高齢の方は、症状が重くなることもあり、「中等症」や「重症」の肺炎では平均在院日数が長くなりやすい傾向にあります。肺炎の治療では、「抗生物質」と呼ばれる薬を使った点滴治療が一般的です。入院期間中に点滴や適切な栄養管理等を行うことで、患者さんの症状改善を図り、在宅で安心して生活を送ることができるよう心がけています。

 肺炎は、日本人の死因第三位であり、死亡者の95パーセント以上が65歳以上の方と言われています。このため65歳以上の方は、肺炎予防や症状の軽減が期待される「肺炎球菌ワクチン」を接種することができます。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 25 43.24 78.40 0
その他 - - - -
 脳梗塞については、「脳神経外科」及び「リハビリテーション科」が連携して治療にあたっています。脳梗塞の治療では、まず脳の血流を良くする薬や、脳を保護する薬を投与し治療を行います。脳梗塞を発症し、当院に搬送される患者さんの多くは、2週間~3週間程度の集中的治療を経て、リハビリを重点的に行う病棟に移動します。リハビリ病棟では、少しでも患者さんの運動機能が回復するようリハビリの専門スタッフが指導を行い、自立した生活を送ることができるよう支援します。
 当院に入院される脳梗塞の患者さんの中には、他院から転院されてくる方もいらっしゃいます。長期の入院が見込まれる重症な患者さんについては、リハビリ病棟でリハビリを行う傍ら、患者さんの退院後の生活環境を整えるための準備を進めています。脳梗塞は、この地域で増加が予想される疾患です。リハビリ専門病棟を有する当院の特徴を生かしながら、引き続き患者さんの退院後の生活を見据えた医療を提供していきます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 33 0.79 4.52 0 67.73
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 20 1.00 11.00 0 61.45
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 11 1.64 12.91 0 78.00
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術)<亜全切除> - - - - -
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 外科で最も多い手術は、「鼠径ヘルニア手術」になります。鼠径ヘルニアは一般的には「脱腸」とよばれ、本来お腹にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼠径部などの筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。入院当日に手術を行い、入院4日前後で退院するといった症例が一番多くなっています。
 2番目に多いのは「乳腺悪性腫瘍手術」になります。当院には乳がんを専門に治療する医師のほか、切除された乳房を再建する形成外科の医師もおり、様々なタイプの乳がんに連携して治療にあたることができます。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 65 0.08 2.20 0 67.65
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 17 4.53 18.35 0 85.65
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 13 2.23 13.46 0 81.23
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 11 0 7.00 0 66.91
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
患者さんの体への負担が少ない内視鏡手術は、全国に普及し、多くの病院で行われています。当院でも大腸をはじめとする消化器系疾患の治療に幅広く活用しており、例年多くの患者様の治療を行っています。代表的な症例は早期癌や大腸ポリープに対する切除術で、健診センター等からのご紹介により、当院を受診されています。内視鏡による治療は大腸の他にも、胃や十二指腸等の疾患に導入されており、病変の切除だけでなく、出血部位の止血や結石除去にも対応することができます。

 消化器系の病気は全国の急性期病院で最も多く取り扱われている疾患です。当院では、今後も内科医と外科医が連携して治療を行うことで、内視鏡を活用した質の高い医療を提供できるよう努めてまいります。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 41 1.39 8.10 0 30.88
K8982 帝王切開術(緊急帝王切開) 31 1.00 8.06 3.23 29.68
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) - - - - -
K909-2 子宮内容除去術(不全流産) - - - - -
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 産科で最も多い手術は、「帝王切開」です。帝王切開には「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」があります。予定帝王切開は、骨盤位や前回の分娩が帝王切開だった方などに対して計画的に行う帝王切開です。緊急帝王切開は、分娩前や分娩中に何らかの異常が起きて、自然分娩が困難と判断された場合に行う帝王切開です。
 次に多いのは、「流産手術」です。流産手術とは、胎児死亡後も出血などの自覚症状がない稽留流産や子宮内容物が一部残存している不全流産などに対して行われる子宮内容除去術のことをいいます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K134-22 内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術) 18 3.06 10.44 0 53.94
K0461 骨折観血的手術(大腿)<内固定を行なう> 16 3.38 45.06 0 79.31
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 14 4.86 21.14 0 73.00
K0483 骨内異物(挿入物)除去術(前腕)<挿入物> 等 - - - - -
K0462 骨折観血的手術(前腕)<内固定を行なう> 等 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。
※手術後、リハビリテーション科へ転科した症例については、リハビリテーション科にて集計しています。

 1番多い手術は「内視鏡下椎間板摘出(切除)術(後方摘出術)」です。背中の骨と骨の間にあるクッション(椎間板)が何らかの原因で壊れ、背骨から飛び出して神経を圧迫することがあります。これを「椎間板ヘルニア」といい、飛び出した椎間板を内視鏡を使って取り除く治療がこの手術です。平均年齢が54歳と、若い方が多いのも特徴です。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) 22 1.00 3.18 0 38.77
K877 子宮全摘術 16 1.06 7.25 0 46.94
K867 子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 - - - - -
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 婦人科で最も多い手術は、「腹腔鏡による子宮附属器腫瘍摘出術」です。腹腔鏡による手術は、術後の痛みが少ない・手術の傷が目立たない・早期の社会復帰が可能・術後の癒着が少ないなどのメリットがあり、患者さんの身体的な負担を軽減することが大きな目的の手術です。主な疾患は、卵巣子宮内膜症のう胞や卵巣良性腫瘍です。
 次に多いのは、「子宮全摘術」です。主な疾患は子宮筋腫です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 17 1.00 7.24 0 74.00
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) - - - - -
K821 尿道狭窄内視鏡手術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K843 前立腺悪性腫瘍手術 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 膀胱癌に対する「経尿道的切除術」が最も多く行われています。この手術は内視鏡を膀胱内に挿入し、腫瘍を削ぎ取るもので、がんの診断と治療を兼ねて行われます。患者さんの体への負担が少ないため、入院期間が1週間程度と短くなっています。早期のがんで、病変が取り切れていれば治療が完了することもあります。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)<内固定を行なう> 13 4.38 59.31 0 85.62
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) - - - - -
K0463 骨折観血的手術(膝蓋骨)<内固定を行なう> - - - - -
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 リハビリテーション科は、整形外科からの転科が7割を占めているため、手術も整形外科領域の治療が上位に来ています。最も多い手術は「大腿骨骨折の観血的手術」です。急性期での治療後、集中的なリハビリ治療を提供し、日常生活機能の回復を図って行きます。平均年齢が80歳を超えており、高齢の患者さんが多いことがわかります。術後在院日数が長いのは、急性期治療に追加して、社会復帰に向けた「運動機能の回復」「日常生活機能の回復」の治療期間が含まれるためです。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 11 0 6.91 9.09 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 新生児仮死とは、赤ちゃんが生まれたときに正常な呼吸が出来ていない状態のことをいい、軽症の場合を第1度仮死、重症の場合を第2度仮死といいます。
 新生児仮死の状態で生まれた赤ちゃんに対しては、のどや気管にたまっている羊水等を吸引したり、酸素を投与したり、赤ちゃんが正常に呼吸できるように処置を行います。この処置のことを「新生児仮死蘇生術」といいます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.50
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.68
異なる
※症例数が10件に満たない分類については、規定により数値を掲載しておりません。

 当院で「手術・処置の合併症」に該当する症例は、定期的に透析治療を受けられている方の合併症(シャント閉塞など)、ポリペクなど内視鏡による手術や検査の合併症(後出血など)、外科手術後の合併症(術後感染症など)、カテーテル留置が原因による尿路感染症などです。これらは事前に予期されているものであり、数日で軽快・治癒しています。
 手術や処置などは合併症を起こさないよう細心の注意を払って実施していますが、どうしても一定の確率で起こってしまいます。起こり得る合併症については、事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、手術や処置の実施に同意をいただけるよう努めています。
更新履歴
2019/10/1
病院指標を公開しました。