令和5年度 松本市立病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 220 37 56 88 117 159 243 510 742 418
 当院は松本医療圏の西部地域に位置し、松本市立病院診療圏には約8万人の方が住んでいます。西部地域唯一の二次救急医療機関であり救急患者の受入や、小児周産期医療を確保しています。高齢化社会への取り組みとして、急性期治療ではなく回復期医療や在宅医療の機能も拡充しています。
 そのため、当院の退院患者数は年齢層が幅広く、多くの世代に向けて医療を提供していると考えています。特に、60歳以上の年齢層だけでなく、0-9歳代の患者さんが多い点も特徴です。また、第二種感染症指定医療機関でもあり、新型コロナウイルス診療の対応に追われた1年間でありました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 108 23.61 20.60 3.70 85.96
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 76 25.99 17.38 5.26 85.46
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 49 23.90 13.52 2.04 82.55
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 46 2.72 2.61 0.00 67.39
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 44 11.55 8.75 0.00 75.82
 当院は松本医療圏の西部地域に位置し、松本市立病院診療圏には約8万人の方が住んでいます。その中で、当院の内科では「誤嚥性肺炎」「心不全(急性および慢性)」「尿路感染症等」高齢者救急診療に関する疾患が上位を占める傾向にあります。
 次いで、「大腸内視鏡手術」「胆道系内視鏡手術」といった疾患が名を連ねます。これらは、消化器内視鏡を専門とする医師が4名勤務し、日夜診療に取り組んでいることが挙げられます。
 
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 30 5.60 4.55 0.00 70.30
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 20 10.25 9.88 0.00 65.15
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 7.78 8.95 5.56 79.44
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 15 15.20 15.12 0.00 70.67
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 15 16.60 13.52 0.00 83.87
 消化器外科や乳腺外科専門領域を中心に、外科全般の治療を行っています。特に上位を占める鼠径ヘルニアについては、侵襲の少ない腹腔鏡手術を積極的に取り入れております。 乳腺疾患は、治療内容にあわせて他の医療機関とも連携し、乳腺専門医による治療を行っています。
 また、手術症例に次ぐ疾患として腸閉塞や尿路感染症等が挙がります。これらは緊急入院症例がほとんどで、2次救急医療機関の役割によるものと考えます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 55 37.05 19.34 5.45 81.85
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 33 51.30 25.50 3.03 84.48
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 23 42.04 19.27 0.00 81.09
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 11 3.18 4.76 0.00 64.82
160800xx99xxx0 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 11 49.09 14.07 0.00 86.00
 高齢者の多い立地のため、最も多い症例は胸椎、腰椎等の「圧迫骨折」や転倒による「大腿骨骨折」、「骨盤骨折」などです。
 脊椎の圧迫骨折に対し手術を必要とする場合や、「椎間板ヘルニア」、「脊柱管狭窄症」など重症の場合には手術が必要となる場合がありますが、当院には脊椎専門の医師がおり、内視鏡を使った患者さんに負担の少ない手術など、年齢や症状に適した治療を提供しています。
 患者さんの状態に合わせ、経過により回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、早期の社会復帰、在宅復帰を目指して集中的リハビリ治療を行い日常生活機能の回復を図っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 30 6.27 6.07 3.33 0.00
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 24 4.71 5.86 4.17 4.63
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 24 4.17 6.37 4.17 4.58
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 21 3.86 5.64 0.00 4.00
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2 なし 20 3.70 3.56 0.00 2.15
 当院は分娩を取り扱っているため、小児科で最も多い症例は「新生児疾患」です。具体的には、新生児一過性多呼吸、新生児黄疸、低出生体重児などが含まれます。令和5年度は新型コロナウイルス感染症流行以降減少していたインフルエンザやウイルス性腸炎等の症例が増加しました。
 小児科では産科とともに、安心・安全な周産期医療の提供に努めています。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 16 9.13 9.34 0.00 34.56
120165xx99xxxx 妊娠合併症等 手術なし - - 10.56 - -
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし - - 20.10 - -
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 - - 9.31 - -
120140xxxxxxxx 流産 - - 2.43 - -
 胎児機能不全等の自然分娩が困難な場合に、迅速な帝王切開術を行い、母体と胎児の安全を最優先しています。入院中の患者さんの状態によっては、必要に応じて高次医療機関と連携し、最適な治療を提供しています。
 また、小児科と密接に連携し、新生児ケアを充実させることで、安心・安全な周産期医療の提供に努めています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 28 6.07 5.93 0.00 43.14
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 11 5.18 6.00 0.00 40.18
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 10 8.20 9.23 0.00 45.40
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし - - 2.96 - -
120100xx02xxxx 子宮内膜症 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 - - 6.47 - -
 手術を目的に入院される患者さんが大半を占めます。特に子宮や卵巣等の疾患に対する手術が多く、腹腔鏡や子宮鏡等、体への負担が少ない低侵襲手術を積極的に取り入れています。妊娠希望等、患者さんの状態に応じて最適な術式を選択し、身体への負担を最小限に抑えるよう努めています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 41 3.59 2.44 0.00 73.56
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 24 10.33 6.85 0.00 78.13
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 18 14.67 13.52 0.00 73.72
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 - - 7.75 - -
11013xxx99xxxx 下部尿路疾患 手術なし - - 9.55 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 当院では膀胱癌、前立腺肥大症、前立腺癌に対する診療を中心に提供しています。前立腺癌の診断のための前立腺針生検を行う症例が特に多くなっています。悪性腫瘍については、検査から手術、ホルモン療法等の治療を提供していますが、症例や治療法によって近隣の医療機関と連携しながら治療にあたっています。
 急性腎盂腎炎や尿路感染症等については抗生剤を用いた薬物療法を行っています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 11 4.82 4.73 0.00 72.36
100380xxxxxxxx 体液量減少症 11 8.55 10.60 0.00 78.55
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 11 20.64 13.52 0.00 85.45
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - 17.38 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし - - 20.60 - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 最も多い症例は、前提機能障害いわゆる「めまい症」の症例です。次いで、高齢者の脱水症、尿路感染症、誤嚥性肺炎などです。
 総合診療科では、救急搬送された患者さんや緊急で受診された初診の患者さんを診察し、専門的な治療が必要な場合には、各科専門医と連携して診療にあたっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 35 - - - - 1 8
大腸癌 18 14 23 15 - 11 1 8,7
乳癌 21 - - - 1 8,6
肺癌 - - - 1 8
肝癌 - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 当院内科のがん診療上位には、「大腸がん」「胃がん」といった症例が名を連ねます。これらは、消化器内視鏡を専門とする医師が4名勤務し、診療に取り組んでいることが挙げられます。加えて、消化器癌については、内科と外科が連携し、癌が進行した患者さんについては、外科的手術や抗がん剤治療から在宅診療まで、症例に合わせた柔軟な医療を提供しています。
 乳がん診療では、マンモグラフィ検診施設、日本乳癌学会関連施設、エキスパンダー実施施設などの認定を受け専門医による診療体制を備えています。手術療法、ホルモン療法、化学療法など癌のタイプに合わせた診療を実施しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 7.62 51.92
中等症 43 15.47 79.95
重症 11 24.55 85.27
超重症 - - -
不明 - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 細菌性や肺炎球菌、真菌等による肺炎患者数です。「中等症」が最も多く、「軽症」「重症」は、ほぼ同数となっています。「軽症」については平均年齢51歳と、若年層での症例が多くなっています。「中等症」や「重症」の肺炎は、免疫機能や身体機能の低下により肺炎の発症機会が高まる高齢の方が多く、症状が重くなることもあり、平均在院日数が長くなる傾向があります。
 肺炎の治療では、「抗生物質」と呼ばれる薬剤を使った点滴治療が一般的です。患者さんの症状改善を図り、在宅で安心して生活を送ることができるよう診療にあたっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 19 30.58 81.58 0.00
その他 - - - -
 脳梗塞については、「脳神経外科」及び「リハビリテーション科」が連携して治療にあたっています。高齢化率の高い地域のため、平均年齢81歳と高くなっています。
 脳梗塞を発症し当院に搬送される患者さんの多くは、急性期治療終了後、回復期リハビリテーション病棟に移動します。病棟では、少しでも患者さんの運動機能が回復するようリハビリの専門スタッフが指導を行い、退院後に自立した生活を送ることができるよう支援します。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 47 1.02 1.98 0.00 67.87
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 等 28 0.79 6.82 0.00 75.96
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 24 3.04 9.83 0.00 79.38
K654 内視鏡的消化管止血術 16 2.31 12.88 0.00 73.12
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 13 3.00 10.69 0.00 71.46
 当院内科の手術件数上位には、「大腸内視鏡手術」「胃・十二指腸内視鏡手術」「胆道系内視鏡手術」といった症例が名を連ねます。これらは、消化器内視鏡を専門とする医師が4名勤務し、日夜診療に取り組んでいることが挙げられます。
 早期発見、早期治療に内視鏡手術は欠かせない医療技術であり、一般診療や健康診断等にも従事し、今後も松本西部地域の消化器系診療に貢献出来るよう取り組みます。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 1.00 3.60 0.00 70.07
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 14 1.14 3.50 0.00 60.93
K6335 鼠径ヘルニア手術 14 0.86 3.43 0.00 70.43
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 14 1.29 7.93 0.00 64.14
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 11 1.00 10.55 0.00 69.91
 鼠径ヘルニアをはじめ、良性疾患、悪性腫瘍の手術を実施しています。鼠径ヘルニア、胆嚢摘出術については侵襲が少ない腹腔鏡手術を積極的に行っています。腹腔鏡手術は、小さな切開のため術後の痛みが軽減され、通常の開腹術よりも入院期間が短縮されています。
 乳腺疾患は、治療内容にあわせて他の医療機関とも連携し、乳腺専門医による治療を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)<内固定を行なう> 等 29 5.38 44.76 0.00 84.38
K0462 骨折観血的手術(前腕)<内固定を行なう> 等 15 1.27 6.80 0.00 70.33
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 12 2.17 15.08 0.00 72.42
K0811 人工骨頭挿入術(股) 10 4.30 47.10 10.00 83.40
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 転倒による骨折、中でも大腿骨骨折や前腕骨折への「骨折観血的手術」が上位を占めています。大腿骨骨折については骨折の状態によって「人工骨頭挿入術」を行います。
 「椎弓切除術」は、様々な原因により狭くなった脊柱管を追求の椎弓の一部を切除することにより神経の圧迫を解除する手術ですが、当院には脊椎専門の医師が在籍しており、患者さんに負担の少ない内視鏡を使用した手術など、年齢・症状に適した治療を提供しています。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 16 1.00 7.13 0.00 34.56
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) - - - - -
K9091イ 流産手術(妊娠11週まで)(手動真空吸引法) - - - - -
K9122 子宮外妊娠手術(腹腔鏡) - - - - -
K8964 会陰(腟壁)裂創縫合術(分娩時)(直腸裂創を伴う) - - - - -
 産科で最も多い手術は選択的帝王切開術です。選択帝王切開は、逆子や過去に帝王切開を受けた方など、自然分娩が難しいと判断された場合に計画的に行います。次に多い緊急帝王切開は母胎や胎児に異常が発生し、自然分娩が困難な場合に行います。また、子宮外妊娠手術は侵襲が少ない腹腔鏡手術を行っております。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 16 1.00 5.50 0.00 44.63
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両)(腹腔鏡) 11 1.09 3.09 0.00 40.18
K877 子宮全摘術 - - - - -
K8731 子宮鏡下子宮筋腫摘出術(電解質溶液利用) - - - - -
K867 子宮頸部(腟部)切除術 - - - - -
 婦人科で最も多い手術は腹腔鏡下腟式子宮全摘術です。大半を占めるのは子宮筋腫等が挙がります。次いで多いのは腹腔鏡による子宮附属器腫瘍摘出術で、卵巣腫瘍や卵巣子宮内膜症性のう胞に対応しています。腹腔鏡手術は低侵襲手術として術後の痛みが少なく、傷も目立たないため、早期の社会復帰が可能となります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 24 1.08 8.25 0.00 78.13
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) - - - - -
K840 前立腺被膜下摘出術 - - - - -
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K821 尿道狭窄内視鏡手術 - - - - -
※症例数が10件に満たない項目については、規程により数値を掲載していません。

 前立腺肥大、膀胱に対する「経尿道的手術」が多く行われています。これは尿道から内視鏡を挿入し行うものであり、患者さんの体への負担が少ない手術です。膀胱腫瘍に対する経尿道的切除術は、腫瘍を切除する治療目的と同時に腫瘍の性質を調べる検査目的としても行われています。浸潤の程度により治療を選択できるよう、連携医療機関に紹介させていただきます。
 診療については、診療科紹介もご参照ください。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 19 0.73
異なる - -
 手術・処置等の合併症として、透析治療に伴うシャント閉塞、内視鏡手術後の出血、外科手術後の感染症、長期カテーテル治療による尿路感染症が挙げられます。これらの合併症は予測可能で、通常は数日以内に改善または治癒します。手術や処置の際には、合併症のリスクを最小限に抑えるため、細心の注意を払い、患者さんにはリスクを十分に説明し、理解と同意を得ることで、安心して治療を受けられるよう努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
243 236 97.12
 肺血栓塞栓症は脚の深いところの血管で生じた血栓が肺の血管を塞ぎ、呼吸困難や胸痛を引き起こす病態です。手術を実施する患者さんについては、脚の深いところの血管に血栓ができやすくなります。これらを防ぐめに、多くの手術患者さんに予防対策を実施することが重要です。当院では、弾性ストッキングやフットポンプを用いて予防する取り組みを行っています。術後、大半の方は翌日までフットポンプを使用します。整形外科疾患など離床が難しい方の場合には、弾性ストッキングも使用し肺血栓塞栓症の予防を行っています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
286 157 54.90
 血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。本指標では、血液培養を行う際に2セット以上の検査が実施された割合を示しています。
 2023年度はコロナウイルス感染症患者の発熱外来患者数が多く、当該外来については患者の状態によって1セットのみ実施となっていたため実施率が低くなっていますが、現在は2セット実施を院内標準として取り組んでいます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
248 183 73.79
 感染症診療において、原因となる微生物を特定し、それに対する治療を行うことが重要です。特に、幅広い範囲の細菌を標的として抗菌薬を開始する場合は、投与開始前に培養検査が必要とされています。
 当院では、広域の抗菌薬を使用する際には、事前に各種培養検査を推奨しています。原因菌判明後は、標的治療として狭域の抗菌薬へ変更を行うことで、確実な効果が得られます。また、耐性菌出現をできるだけ抑える効果も期待できます。
 加えて、当院はJ-SIPHE(感染対策連携共有プラットフォーム)にも参画しました。全国の病院とのベンチマークも図りながら、抗菌薬適正使用に向けた活動を継続的に実施することで、細菌培養実施率向上に取り組みます。
更新履歴
2024.9.27
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