上手な胃カメラの選択方法
上部内視鏡（胃カメラ）の種類と上手な選択方法について
人間ドック・健診で使用される胃カメラは、苦痛の少ない経鼻内視鏡も選択することができます。
使用される2種類の内視鏡の特徴を挙げてみます。
経鼻内視鏡
上部消化器内視鏡検査が初めての方、検査に対する不安の強い方、高齢者、心疾患などの基礎疾患のある方などにお勧めです。
利点は直径5mmと細いため挿入時の苦痛が少ない、経鼻挿入（経口挿入も可能）のため嘔吐反射が出にくく、会話もできる、検査中の血圧、呼吸、心拍数などのバイタルが安定している（体にやさしい）ことが挙げられます。
一方欠点としては、止血などの処置ができない、鼻の痛み、鼻出血、内視鏡の画質が悪く、分泌物の吸引力、送気力も弱いため、粘液の多い方など条件の悪い場合は、詳細な観察ができないことがあります。特に早期食道がんは微妙な食道上皮の色調変化のみで発症している場合がありますので、発見できないことがあります。
経口内視鏡
詳細な観察を希望される方、以前の上部消化管内視鏡検査で慢性萎縮性胃炎、胃腺腫、バレット食道などの異常を指摘された方、50歳以上の男性で喫煙者、常習飲酒者、熱いもの、塩辛いものが好きな食道がん発症リスクの高い方にお勧めです。
直径11mmと太いため経口挿入となり、挿入時、検査時の苦痛が強く、体への負担が大きいのが欠点ですが、利点として画像が鮮明でより微細な病変を発見できることが挙げられます。止血などの処置も可能です。